※通院中、治療中の方は主治医にご相談の上、参考にしてください

からだの成長

消化器官の発達

消化する力ってどのように発達するの?

母乳やミルクを飲むことで胃は大きくなっていきます。そして、離乳食を始めていくことで徐々に消化酵素も作られるようになっていきます。消化酵素が作られていくのには順番がありますので、その順番にあわせて離乳食、幼児食を進めていく必要があります。生まれてすぐの赤ちゃんの胃の大きさは”さくらんぼ”ほどで5~7ml程度と言われています。新生児が35ml、1か月90ml、3か月120ml、5か月200ml、1歳300ml程度のようです。生まれたての赤ちゃんがお腹がすいて泣くために、夜中も起きて授乳しなければならない理由がよくわかりますよね。この生理現象を知っていたら、夜中の授乳が苦にはならないかも?しれません。5か月になって、離乳食を始める前に200ml飲めてない赤ちゃんはまだ胃が大きくなっていない可能性もあります。赤ちゃんの様子を見ながら、進めていきましょう。

消化液である唾液は生後3か月頃から糖質消化酵素の分泌がよくなります。離乳食を始めて生後6か月頃になるともっと分泌がよくなり、食物を唾液と絡めて飲み込みが上手になります。飲み込むだけのゴックン期から唾液をたくさん作るモグモグ期へと移行することでさらに消化酵素の分泌が良くなります。7か月を過ぎたら、”すりおろす”ことはやめてモグモグ出来る形態に変えていきましょう。

生後7か月になると小腸ではたんぱく質、脂肪の消化酵素の量が増えていきます。少しづつ、離乳食のたんぱく質の量を増やしていたと思いますが、量だけでなく、種類も増やしていきましょう。鶏のささみや胸肉、白身魚にも挑戦してみましょう。1歳になると胆汁の分泌が良くなり、さらに脂肪の消化能力がアップします。

ただし、たんぱく質の消化、特に卵、牛乳、大豆などは赤ちゃんの体質によって消化が出来ずに食物アレルギーを起こしてしまう可能性もあります。3歳になるとこれらの食物アレルギーは改善される場合が多いですが、医師と相談しながら、進めていきましょう。

乳児ボツリヌス症についてご存じでしょうか?1歳までは赤ちゃんにはちみつは与えないでくださいね。赤ちゃんはまだ腸内細菌のバランスが未発達なので、はちみつの中のボツリヌス菌の芽胞が大腸で発芽して、毒素を産生してしまいます。最悪な場合、死に至ってしまうことがありますので、絶対に与えないでください。

味覚って1歳までにどのように発達するの?

実は味覚は妊娠6週間目から持っているのです。ママのお腹にいる頃にすでに「味蕾」が出来、脳では味の判断ができるようになっています。そして、生後4~5ヶ月になると甘い、酸っぱい、苦いを感じることができるようになります。

4ヶ月以降の味覚の発達は体験することで脳が学習していきます。体験しなければ、脳は学習出来ないのです。味の体験は脳の視床、大脳前頭葉の味覚野で感じた味が記憶されていきます。この記憶が出来上がるときに一緒に体験した、視覚、臭覚、聴覚、触覚などの情報が心地よいものか?いやと感じるものか?を扁桃核が察知し、次に食べる食物が快なのか?不快なのか?を経験によって選択していくのです。

赤ちゃんに母乳や哺乳瓶でミルクをあげたとき、手取り足とり、赤ちゃんに教えてあげましたか?乳首を近づけただけで、吸い付いてくれましたよね。最初はちょっと苦戦した方もいらっしゃたかもしれませんが、、。生きるために本能的に知っているから、教えなくても出来てしまいます。味覚についても先天性味覚である母乳の味を赤ちゃんは疑いもなく、受け入れてくれます。また、生きるための味 ”甘み”、そして、だしの味 ”うま味” も感じることができます。離乳食で新しい食材をあげたときにとても面白いリアクションをする場合がありますが、味覚や食感に反応していることになります。ホウレン草などの野菜の苦みも生後4~5か月頃から感じるようですが、苦み=まずいではありませんので、赤ちゃんの好きなだしの味と一緒に調理して、苦い=おいしい!を育てていきましょう。ママの”おいしい顔”とおいしいねの“言葉”を一緒に添えると効果大です。視覚、臭覚、聴覚、触覚などの五感と合わせることで後天的味覚が育ち、美味しいと感じる心地よい心が育ちます。

母乳、ミルクだけでは栄養がたりなくなるの?

母乳だけで不足してくる栄養素は鉄分です。鉄分はお腹にいるときにママからもらって肝臓で貯めているのですが、5か月ほど経つと無くなってしまいます。人は酸素がないと生きられませんが、その酸素を細胞に配達する赤血球の材料として鉄分は欠かせないものです。鉄分がないと酸素を細胞まで運ぶことができないということです。母乳の成分は水分が多く、他の栄養素もどんどん足りなくなってしまいます。

ー赤ちゃんに成長に特に必要な栄養素ー

細胞の材料になる・・・・たんぱく質、コレステロール

細胞が増加する・・・・・ビタミンA

細胞の核を作る・・・・・葉酸

細胞分裂をする・・・・・マグネシウム

神経伝達物質を作る・・・ビタミンB6

中枢神経を維持する・・・ビタミンB12

酸素を運ぶ・・・・・・・鉄

骨を作る・・・・・・・・カルシウム,ビタミンD

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