※通院中、治療中の方は主治医にご相談の上、参考にしてください

脳(こころ)の成長

管理栄養士、栄養士が健康や食事に関してママ、パパを応援するサイトです。また、先輩ママ、パパの動画や写真、コメントを掲載し、一緒に楽しく、離乳食・幼児食で脳を育てていこう!というコミニュニティサイトです。私たちの身体と心、すなわち「脳」は胎児期から3歳までに約80%出来上がると言われています。3歳までの時期は触れたもの、見たもの、言葉をすべて「脳」が吸収していく時期です。1日に1~3回あるこの時期の食事である離乳食・幼児食を通じて「脳」だけでなく、「身体」も健全になる基盤を作っていきましょう。

脳の発達

寝てばかりいた赤ちゃんが月齢が進むにつれて昼間、起きている時間が長くなっていくのはなぜ?

生まれたばかりの赤ちゃんは昼も夜も関係なく、眠っています。でも、月齢が進んでいくとだんだん、日中に起きている時間が増え、夜は長く寝てくれるようになります。個人差はありますが、赤ちゃんは皆この傾向に当てはまります。ではなぜ、夜になると眠くなるのでしょうか?人の体は太陽のリズムに合わせていろんなホルモンを出します。昼間は活動し、暗くなったら体を休めるようにするためです。夜ぐっすり、眠ってくれない赤ちゃんを昼間はちょっとお散歩などに連れ出すと、よく眠れるホルモンをたくさん出してくれるかもしれません。

生活リズムってどこで作っているの?

脳の視床下部というところで生活リズムを作っています。視床下部は眼の裏にある脳の部分なので、眼からの刺激を受けます。太陽の朝日を浴びることで脳は一日が始まったことを認識します。そして、眠りを誘い、情緒を安定させるホルモンが覚醒から15~16時間後にピークになることで安眠に向かいます。また、視床下部は食欲、覚醒、睡眠の調節、体温や血圧の調整も行っている部分でもあります。生後3か月頃から働き始め、4歳にはほぼ完成するとのこと。4歳までに早寝、早起きという生活リズムしっかり、作っていくことが将来の学力や健康につながっていくなんて思いもよらないですよね。

脳はどのように発達するの?

心や運動機能を支配する脳はどのように成長していくのでしょうか?重量でいうと385gだった脳は4歳で1389gになります。約3.6倍ですね。大人の脳の重さは1400g位と言われているので4歳で視床下部が完成される頃に重さもほぼ完成ということになります。もちろん、脳の重さと学力は比例しませんが、4歳までに視床下部だけでなく、脳のあらゆる部分、特に大脳皮質の前頭前野(前頭連合野)の働きを高めることで知恵や知能が発達していきます。

視床下部の働き・・・食欲、睡眠と覚醒、体温、血圧の調整

大脳皮質(前頭前野)の働き・・・理性、物事を総合的に考え、人間らしさを象徴する特別な場所

また、ちょっと、びっくりするかもしれませんが、生後4か月位になるとすでに、ママが次に何をするか、予測することができるようになります。予測をつかさどる「前頭前野の44野」が働くからです。この44野が活発に働くためにはどうしたらよいか知りたいですよね。それは”言葉かけ”です。「今、おかゆ用意してるから、待っててね」と”言葉かけ”することでママのその後の行動を予測して、待ってくれることができるようになります。

離乳食が始まると、まずはゴックンと飲み込む練習をしていきます。赤ちゃんの舌が前後に動き、口を閉じて、ゴックンすることができるようになります。上手に出来たときは褒めてあげましょう。「心地よい」と感じる赤ちゃんの脳は親の声掛けでも変わりますこれから始まる離乳食を通じて、シナプスを増やし、脳を活性化していきましょう。

声掛けが脳の神経細胞をつなぐ

(出典:Akira Magazine)

脳の中には神経細胞(ニューロン)があり、そこから手のような樹状突起がいくつかあるのが分かりますか?その樹状突起の一つが伸びて、隣の樹状突起と手をつないでいるように見えます。伸びた部分を軸索と言い、情報を伝達していきます。また、この軸索の末端から神経伝達物質が放出されて、つながった樹状突起に情報を伝達していくことで神経回路が出来、脳が働くようになります。

シナプスという言葉を聞いたことがありますか?シナプスはこの軸索と樹状突起の隙間(すきま)のことを言います。シナプス小胞膜の中には伝達物質が詰まっていて、神経情報が伝わってくるとシナプス小胞体が移動し、シナプス間隙に放出され、樹状突起の受容体(レセプター)に受け取られ、情報伝達がされていきます。シナプスの数が多いほど神経回路が多くつながっていることになり、色んなか考えが持てるようになります。

神経細胞(ニューロン)は使わないとシナプスが減ってしまい、神経細胞そのものが死滅してしまいます。神経細胞の数は誕生の時点でほぼ作り終えていると言われています。神経細胞は完成されているにもかかわらず、シナプスの数が少ないために神経細胞同士はつながっていません。樹状突起が手を伸ばし、シナプスの数が増えなければ、情報は伝達できないのです。20歳のシナプスの形成を100%とすると3歳までに60%が形成され、生後8か月頃から活発に作られるようです。この時期にシナプスを増やして神経細胞を有効に使っていけるようにします。

どうしたら、シナプスは増やせるのでしょうか?それは感覚を刺激することです。

聴覚・・・言葉かけ、読み聞かせ、音楽 他

視覚・・・散歩、読み聞かせ、色とりどりの離乳食 他

味覚・・・うま味、甘み、苦み 他

触覚・・・スキンシップ 他

忙しいママやパパには少し負担かもしれませんが、時間のあるときには触れ合って、シナプスを増やしてください。