※通院中、治療中の方は主治医にご相談の上、参考にしてください

初期ゴックン期 初めての食べさせ方(6か月/あおいママさん):スプーンの使い方

ママのつぶやき

初めておかゆを食べさせたのですが、パクパク食べてくれて、かわいくて嬉しかったのを覚えています。この頃は初めての物を食べる事が多かったので色々な表情をしてくれて、毎回リアクションが楽しみでした。

管理栄養士のコメント

この2枚の写真は同じに見えますが、少し違うのがわかりますか?1枚目の写真はスプーンがお口に入っていないですよね。これから、おかゆを食べようとお口を開けている瞬間です。最初は10倍がゆを擦って粒をなくしたものあげてください。おかゆがスプーンの先に少しだけのっていますね。最初はこのくらいの量をスプーンの先端にのせます。

2枚目の写真のように赤ちゃんがお口を閉じたら、そのまますぐに、まっすぐに引いてください。長い間、スプーンを入れたままにしていると赤ちゃんはおっぱいを吸うようにしてスプーンを吸ってしまい、ゴックンの練習にならなくなってしまいます。スプーンにおかゆが残っていても気にしないでくださいね。上顎に擦り付けるようにはしないでください。擦りつけてしまうと上口唇を鍛えることが出来ません。「上口唇を鍛える」ことでお口がいつも空いていることがなくなり、口呼吸することもなくなります。まだ、しっかりと自分を支え切れていないときは写真のように少し、手で支えてあげてください。

このようなイスを使って離乳食をあげるときは、傾きを変え、上の写真のように少し体を起こしてあげてください。まだ、赤ちゃんが自分で支えられないときは、背中にクッションやタオルを入れて補助してください。ベビーチェアーの背もたれにそうと飲み込みにくく、少し前かがみになった方が、飲み込みやすくなります。

最初は膝で食べさせるのも悪くはありませんが、離乳食とは母乳・ミルクという本能の栄養補給から自分で食べていくという栄養補給を練習しながら獲得していくことです。もう自立?と思われるかもしれませんが、赤ちゃんは日々成長していきます。自立のためにも赤ちゃん専用のイスを用意してあげましょう。

離乳食の前半では赤ちゃんに離乳食を与えるだけになりますが、中期から後期にかけて手づかみ食べが始まるころには、別の時間に別のものを食べさせるよりも、大人と同じテーブルで同じようなものを一緒に食べることで離乳食が順調に進んでいくこともあります。大人が食べる姿を「まねっこ」することで食べ方や食器の使い方を知らないうちに覚えていきます。数か月先のことを考えて、大人と一緒に食事をするイス、テーブルを用意し、楽しくなる食環境を整えてください。

食べさせていると、時々このように舌がペロペロと出てくるのではないでしょうか? 唇をしっかり閉めておく筋肉が未熟であったり、乳首や哺乳瓶で乳を飲むための舌の動きです。この動きは哺乳反射と呼ばれています。哺乳反射は原始反射で、①探索反射②補足反射③吸啜(吸てつ)反射④嚥下反射の反射の総称です。哺乳反射の減弱することが離乳食開始の生理的条件になっていきます。哺乳反射が残っていることで固形物を出してしまうこともあります。その時、ママは離乳食が美味しくないのかしら?嫌いなのかしら?と不安になり、不安になってしまうかもしれませんんが、あくまでも生理的な反応です。離乳食を少しづつ進めていくことで徐々に見られなくなっていきます。☟

発達に合わせて上手に食べさせる

<摂食機能の発達を知って与えよう>

1⃣ 離乳初期

1,舌は前後にしか動かない

2,スプーンで取り込む

3,徐々に水分を減らす(タラタラ→ダラダラ)

4,口を閉じてゴックン飲み込む

2⃣ 離乳中期

1,口蓋と舌はセンサーになる

2,口に入るスプーンの大きさ

3,舌の上下運動で食材を押しつぶす

3⃣ 離乳後期

1,舌は左右運動

2,歯ぐきで噛む

4⃣ 完了期

1,口腔の容積が広くなり、下顎の側方への動きがよくなる

2,硬いものを噛んだり、舌で唾液と混ぜ、食塊を作るのが得意ではない

これから、離乳食がどのように進んでいくかを知りたい方は是非こちらもお読みください。松山市が作られた動画も載せています。食べさせ方も動画で分かりやすく説明されています.

食卓を囲むことが大切

食卓イスはおうちに合ったものでいいと思いますが、10か月頃になると、お一人様食べ(孤食)よりも、家族で食卓を囲みながら食べることで、お子さんの喜ぶ様子が増えて、食欲も増します。食環境は食べる意欲を増やすことにもつながりますので、この頃から、長く使える食卓イスの購入をお勧めします。一人用を買ってしまったので、ずっと一人で食べている ということがないようにしてくださいね。

離乳食で大切にしたいこと

1、生活リズムの中で正しい食習慣を身につけていく

2、母乳、ミルクだけの栄養から離乳食の栄養へのスムーズな移行

3、味覚を中心に5感を育てていく

4、そしゃく力、えんげ力を鍛えていく

母乳は条件反射ですが、離乳食は学習しなければ、習得できない ”食べる力”すなわち”生きる力” です。最初はうまく食べれなくて当たり前です。練習を積み重ねていくことで上手に出来るようになっていきます。大人が赤ちゃんの成長に合ったスプーンを使って、食べやすい形態、姿勢であげてみましょう。上手に食べれたら、褒めてあげましょう。大人が褒めることで赤ちゃんはこの食べ方でいいんだと認識していきます。慌てなくて大丈夫です。お子さんがじっくり学習できる食環境を作ってあげましょう。(管理栄養士 こざわさなえ)

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