※通院中、治療中の方は主治医にご相談の上、参考にしてください

すりつぶさない2回食を進めていきましょう!

記憶する脳が育ってきます

7ヶ月を過ぎたあたりから、「最近人見知りが始まってしまって・・・」という赤ちゃんが増えてきます。それは赤ちゃんが人の顔を記憶することができるようになり、知らない顔とを見分けることができるようになったために起こります。「今日はここに行ってこんな人たちと会うんだよ」と出かける前に声をかけて、帰ってきたら「今日はいろんな人たちと会って、楽しかったね」と笑って話かけましょう。この頃には「夜泣き」が始まるかもしれませんが、脳がいろいろな体験をして、整理している時間だと思って、スキンシップをしながらやさしく声掛けしてあげましょう。夜中に起こされて大変かもしれませんが、スキンシップと声掛けで脳が安心し、短い期間で終わるかもしれません。長くても3ヶ月くらいで収まると言われています。

中期(モグモグ期)に大切なこと

食べやすい姿勢

イスを使わず、膝に座らせてあげている方はもういないと思います。また、床にお座りをさせている方がいらっしゃるようでしたら、テーブルのついたベビーラックやテーブルと組み合わせられるイスを用意します。背中が床と垂直になるように背もたれを調整したり、安定しない場合は背中と背もたれの間等ににタオルなどを入れて、しっかり座れるように工夫をしてあげます。イスに座った時に足が床についていることも大切です。足がブラブラしてしまうと落ち着いて食べることを阻害してしまいます。

食べさせ方

赤ちゃんの目の前にスプーンを持っていくとお口が開きますか?食欲のあるお子さんはもっと、もっととパクパク口を開けるのではないでしょうか?その時に急ぐあまりに上あごにする付けるようにどんどんあげてしまう方がいらっしゃいます。中期になったら、赤ちゃんがゆっくりモグモグするために、擦りるぶしていない食材をスプーンの前半分山盛りにし、赤ちゃんの下唇にのせ、大きく口が開いたら舌の上にスプーンを移動し、スプーンはまっすぐのままで、赤ちゃんがお口を閉じるのを待ちます。お口を閉じたら、スプーンをまっすぐ水平に抜いてください。その時にスプーンに少し食材が残るかもしれませんが、舌と上あごで挟めるようになれば、残りはなくなっていきます。スプーンを上あごに擦りつけるように引いてしまうと、赤ちゃんのお口の筋肉が育たず、流し込んでしまう傾向にあります。赤ちゃんがモグモグしやすいスプーンの運び方をしているか?確認してみてください。

この頃は声掛けだけでなく、大人が見本を見せることも大切になってきます。それはこの頃発達する脳と深く関係していることはすでにお話した通りです。

食卓イスに座ったら、手を拭いてあげて「いただきます!」から始めましょう。10~15分ほどで集中力が無くなって、イスから降りようとするでしょう。「もう、ごちそうさまなのね。」と声をかけて、イスから下ろしましょう。「ごちそうさま!」した後は食べさせないようにしていきます。「ごちそうさま」はもう、食べられないという合図を赤ちゃんが理解してくると、「もう一口食べようかな?」と考える脳が育っていきます。この頃には、ママの「子育て方針」を決めていきましょう。どんな子になってもらいたいのか?そのためには今、何をしたらいいのか?を考えてみてください。食事時間は赤ちゃんの脳を育てるチャンスの時間です。食育は脳育です❣

ゴックンができるようになったら次はモグモグの練習

飲み込むだけのゴックンが出来てきたら、次はモグモグへステップアップしていきましょう。離乳食を始めて、2ヶ月ほど経ち、ペースト状のものが食べられるようになったら、ママがすりつぶすことは卒業します。これからは赤ちゃん自身に自分の舌と上あごですりつぶしてもらいます。これが中期、モグモグ期です。舌でつぶせる固さにします。

時期

7~8か月の頃。離乳食を始めて1か月半から2か月経った頃です。

時間

1日2回、午前中と午後の2回になります。1回目と2回目の間は3~4時間空けてください。

食材

午後の離乳食は新しい食材は使用せず、ゴックン期の午前に食べたことのある食材を使います。バランスを考えて、主食(炭水化物)・主菜(たんぱく質)・副菜(ビタミン類)を毎食そろえましょう。

食材の形態

すりつぶすことはせず、つぶつぶの食感を少しづつ取り入れていきます。水溶き片栗粉で少しとろみをつけると赤ちゃんの舌にとどまりやすく,舌と上あご使って、モグモグしやすくなります。

味付け

だしの味、素材の味生かしていきましょう。

栄養

まだまだ中心は母乳やミルクです。離乳食の後は母乳やミルクを好きなだけ飲ませてあげます。

生活リズムの例

 6:00 母乳またはミルク

10:00 離乳食+母乳またはミルク

14:00 母乳またはミルク

18:00 離乳食+母乳またはミルク

21:00 母乳またはミルク

24:00 母乳またはミルク

14:00に離乳食+母乳またはミルクでもOKです。その場合、18:00に離乳食を用意する必要ありません。母乳やミルクのみで大丈夫です。ただし、午後の離乳食時間が14時なったり18時になったりしないようにおおよその時間は決めておきましょう。お昼寝やお出かけの時間もあり、毎日まったく同じ時間に離乳食の時間は難しいと思いますが、規則正しい生活リズムが脳や身体に与える影響は時計遺伝子と関係していることが解明されつつあります。

ゴックン期からモグモグ期へ スプーンの進め方

赤ちゃんの成長に合わせてスプーンを変えていきましょう。スプーンの先に食材をのせますが量が少なくてもお子さんはモグモグ出来ません。少し粒を残し、スプーンの半分位まで食材がのっている位の量をお口に入れてあげてください。お子さんがお口を閉じて自分ですくい取れるようにスプーンはまっすぐ入れて、そのまま引きましょう。

モグモグ期の終わりには、、、

ひとくち量を増やす

一口でこのくらいが食べれるようになり、9か月頃になったら、次はカミカミの練習です。しっかり、モグモグが出来ていないとカミカミ期の形態は食べる事が出来ません。モグモグ期ではママもゆっくり待ってあげてください。早食いではなく、しっかり、お口が動かして、咀嚼筋を鍛えていきましょう。

栄養バランスを意識する

このホームページでプレゼントをしている「スケジュール表」にも示していますが中期(モグモグ期)の1回の目安量は

主食 炭水化物       おかゆ 50~80g

主菜 たんぱく質      豆腐  30~40g か 魚・肉 10~15g

副菜 ビタミン・ミネラル  野菜  20~30g

です。この頃の食べる量は個人差が大きいので、あくまでも目安量になります。この時期から、母乳やミルクだけではビタミンA、ビタミンC、鉄などの栄養素が不足していくので、離乳食でこの栄養素を補っていく必要が出てきます。ほうれん草・小松菜はビタミンA(カロテン)、ビタミンC、鉄、カルシウム全てが豊富な野菜です。茹でた後に冷凍しておくこともできます。毎日、少しずつ、摂取していけるといいですね。

7倍がゆにする→5倍がゆに移行していく

7倍がゆを炊いたら、20分程蒸らします。炊き立てよりもお米が水分を吸収して、さらに美味しくなります。赤ちゃんは7倍がゆをちゃんとモグモグせて食べていますか?そしゃく力が嚥下力がついてくるとあまりモグモグしなくても飲み込めてしまうので赤ちゃんの口の様子をみながら、6倍がゆ、5倍がゆに変えていきます。スプーンひと口の量も多くしていきます。ひと口で10回程度大きくモグモグ出来るように少しづつ負荷をかけていきます。

おかゆ以外の炭水化物を使う

マカロニ、スパゲティなど

新しい野菜に挑戦

なす、レタス、チンゲンサイ、ズッキーニ、冬瓜、スナップえんどう、さやいんげん、ピーマン、パプリカ など

野菜はみじん切りにする→粗みじん切りに移行していく

ペースト状だったものをみじん切りに変えていきます。最初は細かいみじん切りから始め、徐々に粗みじん切りに変えていきます。1種類の野菜ではなく、2~3種類の野菜が入ったみじん切り料理を用意しましょう。

だしと野菜スープをベースにしょうゆを1滴たらす

野菜の種類を増やすために野菜スープを作りましょう。お味噌汁や野菜スープを作るとき、鍋に数種類の野菜を入れてコトコト茹でませんか?その時に作られたスープを野菜スープと言い、製氷皿などでキューブに冷凍することもできます。コンソメを入れなくてもそれぞれの野菜のエキスが出ていてとても美味しいスープです。ただ、2回食も後半になってくると赤ちゃんはこの味に物足りなさを感じて食べるのを嫌がったり、食べる量が減る場合があります。その時はしょうゆを1滴料理に落としてください。その塩分を美味しくお感じ、たったそれだけでたくさん食べてくるようになる赤ちゃんも大勢いらっしゃいます。

とろみをつける

舌と上あごですりつぶすためには舌の上にしっかり具材が乗らなければなりません。とろみをつけると赤ちゃんの小さい舌の上に留まりやすく、上手にすりつぶせて、のどに詰まらせることが少なくなります。とろみは水溶き片栗粉でつけます。片栗粉1に対して水2~3倍程度の水溶き片栗粉を作り、舌に留まりやすい固さ、7倍がゆ程度のとろみに調整します。

使えるたんぱく質

7ヶ月目頃・・・鶏ささみ、高野豆腐、鮭、マグロ、ブリ、卵(全卵)、粉チーズ、削り節

8ヶ月の頃・・・鶏ひき肉、鶏、もも肉 など

フーディングスプーンを取られてしまったら、、

自分で食べたがるお子さんについてはお子さん用のスプーンとフォークを用意しましょう☟

大人が使っているフーディングスプーンと違うところは柄が短くて、お子さんが上から握りやすいものとなっています。遊んでいるうちに食べ物をお口に運ぶ練習が出来るようになるかもしれません。ただし、これは右利き用ですので、必ず右手に握らせるようにします。お店で見たところ、左利き用は販売されていませんでした。食べ物をあげるのであれば、フォークからの方が使いやすいかもしれません。フォークに食べ物を刺して渡してあげるところから、始めてみてください。そして、うまく口に入ったら、たくさん褒めてあげてください。

ストロー飲みを練習する

ストローを使うことで「計画性を養う力」をつけることができるようになります。ストロー飲み練習の最初の頃はむせてしまって、ママはまだ早すぎたかしらと、不安になりますが、赤ちゃんは5日程度で覚えてしまいます。簡単に見えるストロー飲みですが「どれだけ飲むか?」「どのくらいの力で吸ったら、どのくらいお口に入ってくるか?」計画をして、加減をする力を身につけます。まずは赤ちゃん用のパック麦茶から始めてみましょう。大人が少し、押してあげることで吸うタイミングを覚えます。

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