※通院中、治療中の方は主治医にご相談の上、参考にしてください

初期(ゴックン期):午前中に1回10倍がゆから始める

離乳食が始まりました。まずはゴックンと飲み込む練習をしていきます。赤ちゃんの舌が前後に動き、口を閉じて、ゴックンすることができるようになります。上手に出来たときは褒めてあげましょう。「心地よい」と感じる赤ちゃんの脳は親の声掛けでも変わりますこれから始まる離乳食を通じて、シナプスを増やし、脳を活性化していきましょう。

声掛けが脳の神経細胞をつなぐ

(出典:Akira Magazine)

脳の中には神経細胞(ニューロン)があり、そこから手のような樹状突起がいくつかあるのが分かりますか?その樹状突起の一つが伸びて、隣の樹状突起と手をつないでいるように見えます。伸びた部分を軸索と言い、情報を伝達していきます。また、この軸索の末端から神経伝達物質が放出されて、つながった樹状突起に情報を伝達していくことで神経回路が出来、脳が働くようになります。

シナプスという言葉を聞いたことがありますか?シナプスはこの軸索と樹状突起の隙間(すきま)のことを言います。シナプス小胞膜の中には伝達物質が詰まっていて、神経情報が伝わってくるとシナプス小胞体が移動し、シナプス間隙に放出され、樹状突起の受容体(レセプター)に受け取られ、情報伝達がされていきます。シナプスの数が多いほど神経回路が多くつながっていることになり、色んなか考えが持てるようになります☟

神経細胞(ニューロン)は使わないとシナプスが減ってしまい、神経細胞そのものが死滅してしまいます。神経細胞の数は誕生の時点でほぼ作り終えていると言われています☟

神経細胞は完成されているにもかかわらず、シナプスの数が少ないために神経細胞同士はつながっていません。樹状突起が手を伸ばし、シナプスの数が増えなければ、情報は伝達できないのです。20歳のシナプスの形成を100%とすると3歳までに60%が形成され、生後8か月頃から活発に作られるようです。この時期にシナプスを増やして神経細胞を有効に使っていけるようにします。

どうしたら、シナプスは増やせるのでしょうか?

それは感覚を刺激することです!!

聴覚・・・言葉かけ、読み聞かせ、音楽 他

視覚・・・散歩、読み聞かせ、色とりどりの離乳食 他

味覚・・・うま味、甘み、苦み 他

触覚・・・スキンシップ 他

忙しいママやパパには少し負担かもしれませんが、時間のあるときには触れ合って、シナプスを増やしてください。

初期(ゴックン期)に大切なこと

食べやすい姿勢

もう、すでにスプーンで白湯(さゆ)や麦茶を与えている方もいらっしゃるかと思います。大人の膝の上にのせて、あげていると思いますが、どんな体制になっているでしょうか?大人もそうですが、横になっている体制だと飲み込みにくいですよね。まだ、背が丸くなってしまうかもしれませんが、腕で支えながら、体は90度より少し後ろに傾くように起こして、離乳食をあげてください。赤ちゃんの舌が床と平行になっていると、離乳食が口からこぼれにくく、喉まで達し、赤ちゃんがゴックンしやすくなります。

ただし、いつまでも膝の上にのせて食べさせていると、片手が取られてしまいますしまいますし、赤ちゃんの食べている様子が見えにくいことがあります。しっかりしてきたら、そろそろ、食卓イスの準備を始めましょう。

食べさせ方

膝の上にのせた時、赤ちゃんの顔は見えますか?そして、スプーンをどのように口に入れているか?どんな様子で食べているかを確かめてください。最初はスプーンを口元にもっていっただけで口を開けてくれないかもしれません。そんな時はスプーンで下唇を軽く刺激してみてください。自然にお口が少し開くと思います。その間にスプーンをまっすぐに入れて、2秒ほどしたら、まっすぐにスプーンを抜いてください。おかゆがスプーンに少し残っていても構いません。残ってしまうからと言って、上あごに擦りつける引き抜かないでください。また、長い時間スプーンをお口に入れていると母乳やミルクを飲むように舌が動いてしまいます。私たち大人もそうですが、お口が閉じなければ、ゴックンと飲み込めないですよね。初期はお口を閉じて、飲み込む練習をする時期です。

小諸市の栄養士さんがとてもいい動画を作っていらっしゃるのでご紹介をいたします。

初期(5~6ヶ月頃)の料理のポイント

初期と言っても5か月で離乳食を始めたばかりと6か月ですでに離乳食を始めて2ヶ月経っている形態とは同じではありません。練習していくうちに赤ちゃんはどんどん食べる事が上手になっていきます。ただし、その進み方にはかなりの個人差があります。赤ちゃんのそれぞれの進み方に合わせて、形態を変えていってください。7か月になって、急に中期(モグモグ期)になるわけではありません。

だしを使う

おかゆをポタージュ状にしたり、ペースト状にするときは白湯(さゆ)でのばしてください。野菜やたんぱく質についてはだしや野菜スープを使うとおいしくなります。お味噌汁や野菜スープを作るとき、鍋に数種類の野菜を入れてコトコト茹でませんか?その時に作られたスープを野菜スープと言い、製氷皿などでキューブに冷凍することもできます。コンソメを入れなくてもそれぞれの野菜のエキスが出ていてとても美味しいスープです。

10倍がゆを作る→8倍がゆに移行していく

始めたころはおかゆをすりつぶして、粒のない10倍がゆ、とろとろのポタージュ状にします。上手にお口に取り込めるようになったら、少し粒を残した10倍がゆにします。粒をすりつぶさない10倍がゆが食べれるようになったら、中期を始める前までに8倍がゆが食べれるようになっているといいですね。

おかゆ以外の炭水化物を使う

いも類・・・じゃがいも・さつまいも

小麦粉・卵アレルギーがないようであれば以下の食材も使えます。

パン類・・・食パン・ロールパン(成分表示を見て、材料を確認する)

麺類・・・うどん・そうめん・冷やむぎ(成分表示を見て、材料を確認する)

野菜を用意する(ポタージュ状からペースト状へ)

にんじん、玉ねぎ、大根、かぶ、トマト、かぼちゃ、ほうれん草、小松菜、白菜、キャベツ、カリフラワー、ブロッコリー など

たんぱく質を用意する(ポタージュ状からペースト状へ)

絹ごし豆腐、木綿豆腐、しらす干し、ちりめんじゃこ、白身魚(鯛・タラ・ひらめ・かれい)、プレーンヨーグルト、きな粉、お麩、卵(黄身のみ) など

はじめての豆腐、卵については以下の記事も参考にしてください。

離乳食 はじめての豆腐(ゴックン期/管理栄養士)

離乳食 はじめての卵(ゴックン期/管理栄養士):卵黄と卵白の進め方

ここまで順調に進んできましたか?慌てなくて大丈夫です。季節によっては風邪ばかり引いていて、あまり進んでないかもしれません。9か月になっても構いません。赤ちゃんの”食べたい”を大切に進めてください。

栄養バランスを考えたほうがいいの?

離乳食を始めて、2ヶ月程経ちました。主食(炭水化物)、副菜(野菜)、主菜(たんぱく質)が毎食、揃っていて赤ちゃんが一口でも食べていますか?前期(ゴックン期)では母乳・ミルクが主栄養ですので、離乳食ではいろんな味が体験できていれば問題はありません。ただし、次のステージ中期では少し、栄養バランスを意識していきます。

さあ、そろそろ、モグモグを始めましょう!

 

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