※通院中、治療中の方は主治医にご相談の上、参考にしてください

離乳食 はじめての卵(ゴックン期/管理栄養士):卵黄と卵白の進め方

卵黄の進め方

初めの目安量は黄身の1/8個

離乳食を始めて3週間ほどしたら、豆腐や固ゆで卵の卵黄を与えてみましょう。豆腐や卵黄の油は半分消化された状態(乳化)なので実は赤ちゃんのお腹にやさしいのです。ただし、アレルギーを起こす可能性もあるので、しっかり加熱して、ごく少量から始めましょう。

固ゆでした卵を1つ作りましょう。(白い卵でも赤い卵でもどちらでもよい)
小鍋に卵と水(かぶるくらい)を入れて、グツグツと沸騰させてから12分以上、お箸やトングで軽く動かしながら加熱すると、全体がムラなく固まります。火からおろし、お皿の上に取り出してから冷まします。

冷めたら殻をむきます。☟

白身と黄身を分け、今回は黄身のみを使います。☟

丸い黄身を半分にし(1/2)、またその半分(1/4)を別皿に移します。同量のお湯(小さじ1/2くらい)を少しずつ上からかけ、計量スプーン等の背で少しすりつぶしながら、丁寧に混ぜて、なめらかな卵黄クリームを作ります。始める月齢にもよりますが、初日は薄めのポタージュ状でも構いません。問題がないようであれば、少しずつ水分を少なくし、トロトロとした滑らかなクリーム状に仕上げていきます。

初日はできあがった卵黄クリームの半分(1/2)を何回かに分けて、お子さんに与えましょう。(全黄身の1/8量)。ベビースプーンにすくい、「初めての卵よ。黄色いね。おいしいかな?」などと声をかけながらあげてください。☟

使わなかった黄身をママが食べて見せてもいいですね。(大人は別のスプーンを使いましょう)月齢が進むほどお子さんは違った味に不安を覚えます。その時のママの行動や言葉が不安を取り除いてくれることになり、やがてそれは信頼感につながっていきます。

残りの半分(1/2)はお子さんには与えず、ママが食べてみせる見本にしたり、料理に活用しましょう。残りの白身や黄身はパパやママの食事用として使います。そして、与えた後は、やわらかいタオルやガーゼなどで口のまわりをキレイに拭き取りましょう。ほっぺや口のまわりに汚れが付着したままになっていると、あとで赤くなったり、かゆみが出ることがあります。

与える時間

豆腐と同じように、午前中がオススメですが、遅くとも15時くらいまでにしましょう。

アレルギー反応

〇 かゆみ

〇 じんましん

〇 嘔吐

〇 ぐったりする

〇 機嫌が悪い

〇 激しい咳

〇 呼吸困難

などが見られる場合は、速やかに、病院を受診をしましょう。その際は、食べさせた物の内容と、時間、状態の変化を伝えましょう。

2回目からの進め方

お子さんにアレルギー反応がみられなければ、このやり方を参考に2~3日続けて同じ時間に同じようにして与えてみましょう。

その後、卵黄のみをメニューの中に入れて、たんぱく源として与えていくことができますが、量は(5ヶ月)1/8個→(6ヶ月)1/4個→1/3個→1/2個→1個と少しずつ増やしながら進めて行くとよいでしょう。

また、この後の応用編として「かつおだし」「こんぶだし」などのだし汁を混ぜて与えましょう。だしの旨味と卵が合わさることで1品の卵料理になります。

離乳食も進み、固ゆで卵の卵黄を1つ分(約20g程度)食べることができたら、次は、全卵へ進めたいところですね。

卵白の進め方

「授乳と離乳の支援ガイド(2019年3月)」の改定版では、卵黄1こ~全卵1/3になっていますが、ちょっとその前に卵白だけを与えて確認したい場合の進め方について写真を使って説明していきたいと思います。

卵黄と同じように、小鍋に卵と水(かぶるくらい)を入れて、グツグツと沸騰させてから12分以上、加熱します。火からおろし、お皿の上に取り出してから冷まします。

今回は、殻をむいてから、卵カッターで切ったものを準備しました。☟

最初に使うのは、一番端のもの。大きさとしては、1/10くらい(3~4g程度)です。☟

包丁かナイフの先で、できるだけ細かくします。☟

小さな湯飲みやカップに入れて、スプーンの脊でつぶしましょう。☟

このままの状態で、ベビースプーンを使って食べさせてもかまいません。飲み込みできているか、確認しながら、ゆっくり食べさせましょう。口元にこぼれないよう、少量から始めます。口のまわりについたら、ガーゼなどできれいに拭き取りましょう。

初めての食べ物を与える時は、できるだけ、他の野菜やおかずは与えないことが大切です。もし、アレルギーの反応が見られた場合や体調不良の際は、何を口に入れたかが分かるようにしましょう。

また、おかゆと一緒に与える方法もあります。固ゆで卵の卵白は、しっかり加熱したものなので、なかなかつぶれない硬めのたんぱく質です。粒がしっかりしていて、食べさせにくいときは、おかゆと混ぜて与えましょう。

ここからは、おかゆと卵白のみを与える方法をお伝えします。おかゆを皿にいれ、スプーンの脊で混ぜます。☟

卵白を刻んだものをおかゆと合わせて、よく混ぜます。おかゆが固まってきたら、お湯を足して、混ぜるとトロトロになります。食べさせやすい硬さに調節していきましょう。おかゆの量は大さじ1くらいが目安ですが、大さじ2でもよいでしょう。卵白は、刻んだ分はすべて、混ぜて与えましょう。☟

2回目は、次の日に。何も変わったことがなく、大丈夫な様子であれば、少し量を増やしてみましょう。端から2番目くらいの大きさが適量です。1/8程度(3~5gくらい)、同じように、刻むか、スプーンの脊でつぶしてから与えましょう。おかゆと混ぜて与えてもよいですね。☟

3回目は端から3番目程度。(前回より少し大き目のものがあれば)7~8gのもの。同じように、刻むか、スプーンの脊でつぶしてから与えましょう。おかゆと混ぜてもよいです。☟

卵黄プラス卵白を試す場合

卵カッターを使って、カットします。大きいものをスプーンの脊でつぶしてから与えましょう。おかゆに混ぜてもいいですよ!少しのお湯を加えて、卵黄をクリーム状にして与えるといいですね。 卵黄プラス卵白を与えて大丈夫であれば、次からは、いろんな食べ物と混ぜて与えてOKです。初めて使う食材と混ぜることは避けてください。

応用編:ベビーフードに卵をプラスする

貧血予防としてレバーがありますが、市販されている粉末スティックタイプのベビーフードが便利で活用しやすいですね。

いろんな種類のものが出回っていますが、今回は「レバー入り緑黄色野菜のベビーフード粉末」を利用してみました。☟

大さじ1杯のお湯を用意して、少しずつ入れながら粉末のベビーフードを溶きます。ちょっと硬めのうちに、カットした卵黄プラス卵白を入れて混ぜます。なめらかになるまで、残りのお湯を加えて、よくまぜます。おかずの一品にいかがでしょうか? つぶした人参や、カボチャを混ぜて与えてもいいですよ!☟

9か月以降の子どもには、乳児貧血防止によいメニューです。加える野菜の大きさ、硬さを変えると、いろいろ工夫できますね。☟

(管理栄養士 松下みゆき)

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