※通院中、治療中の方は主治医にご相談の上、参考にしてください

後期(カミカミ期):自分で食べたがるお子さんには手づかみやフォークを使ってみましょう

離乳食を初めて4~5ヶ月経ちました。モグモグが上手に出来るようになりましたか?5倍がゆや3~5mm程度に切ったの柔らかい野菜を10回程度もぐもぐして、詰まらせることなく、飲み込めていますか?9ヶ月ごろになり、モグモグが出来ていたら、1日3回の離乳食を始めます。栄養の半分は離乳食で取るようになります。赤ちゃんの意思がとても強くなり、思うように食べてくれなかったり、昨日食べたものを嫌がったり、その反対に嫌がっていたものをパクパク食べてみたりと2回の食事に振り回されているかもしれません。これで3回食になったらどうしようと悩んでいる方もいるでしょう。でも、それも赤ちゃんにとって大事な成長の一過程です。この頃の脳の成長を知ることで乗り切ってください。

歯ぐきでつぶすことが出来るようになります

離乳食後期になると、舌が前後、上下に加えて側方へ動くことができるようになります。これによって、食べ物を上下の顎間や臼歯間に移動させることもでき、歯ぐきですりつぶすこともできるようになります。左右同時に引かれていた口角は片側の歯ぐきでするつぶすことにより、左右非対称のお口の動きが見て取れます。赤ちゃんがお口の中で食べ物を左右に動かすことのできる形態を用意していきましょう。(かぼちゃを一口、フォークに刺して、お子さんに渡す)☟

「積極的に物事に取り組む脳」が育ってきます

この頃の赤ちゃんは五感を使って、確かめ、それを繰り返すことで膨大な情報を脳に蓄えていきます。大人は見ただけである程度の触感、味、においなどが想像できますが、それは今までの経験、すなわち情報が脳に蓄えられ、情報を引き出して対処することができるからです。五感から受けた刺激が電気信号となって、脳に伝わります。

これらたくさんの情報を上手に使うことでお子さんは物の区別、いわゆる「判断力」をつけていくわけです。

判断力がついてくる

    ↑

脳にたくさんの情報がはいる

    ↑

たくさんの経験を積むことができる

    ↑

積極的に物事に取り組める(前頭前野)

    ↑

触感・視覚・味覚・臭覚を繰り返し鍛える

自分でやりたがって、言うことを聞かなかったり、やらせてみたら、掃除が大変!という状態になったり、大人はイライラするかもしれませんが、「積極的に取り組もうとする脳」が育っている証拠です。1歳になったら、少し落ち着くかも?しれません。しばらくの間、見守ってあげてください。

後期(カミカミ期)に大切なこと

食べやすい姿勢

幼児になっても使えるような、食卓イスを用意します。この頃は立ち上がって、高いイスから落ちてしまうこともあるので、背中がまっすぐになり、立ち上がることのできないイスを用意しましょう。足がブラブラしていると気が散ってしまいがちなので、床や足のせ台などに足がしっかりつくように成長とともに調節できるイスがお勧めです。

また、手づかみ食べをするためには、両手が自由に動かせたり、テーブルと椅子の間に隙間がなく、赤ちゃんがテーブルのものを取りやすい高さが必要です。”食べさせてあげる→自分で食べることができる”環境づくりへの変更を徐々に行ってください。

手づかみできるものを用意する

積極的に食べようとしているお子さんには手づかみ出来るものを用意しましょう。手始めに柔らかくゆでた”にんじんスティック”から始めてみます。にんじんを1cm角、3~4cmの長さのスティック状にし、柔らかくゆでたものを用意して、持たせてみましょう。最初から上手く、食べられなくて、手でつぶしてしまって、お口に入らないかもしれませんが、「触感」の学習にはなっているはず。そのうちにお口に入っていきます。遊びばかりが続くようであれば、大人が手づかみ食べするところを見せてあげてください。「こうやって食べるんだよ」と声をかけながら、見せていくことで「聴覚」「視覚」の経験も積むことができます。すべての感覚が赤ちゃんの経験→成長につながるので、見守りながら、バックアップしてあげてください。

栄養バランスを意識する

この頃は個人差が見られる頃です。食べなくて困っている方、食べすぎて困っている方が分かれます。成長曲線を確認しながら、3回食を進めていきます。

後期(カミカミ期)の1回の目安量は

主食 炭水化物       おかゆ 90g か 食パン(8枚切り)3/4枚

主菜 たんぱく質      豆腐  45g か 魚・肉 15g  か 卵 全卵1/2個

副菜 ビタミン・ミネラル  野菜  30~40g

です。鉄分が気になってくる頃ですが、母乳だけだと不足がちになります。フォローアップミルクを上手に活用する手もありますが、離乳食が順調に進んでいるようであれば、是非、食材から摂っていきましょう。

《鉄を多く含む食材》

魚   鮭・ツナ(缶詰)・まぐろ・かつお・ぶり・かつおぶし

肉   牛肉・豚肉(赤身)

野菜  ほうれん草・小松菜・ひじき

後期(9~11ヶ月頃)の料理のポイント

5倍がゆ→3倍がゆに移行していく

おかゆ一口のスプーン量はどのくらいでしょうか?90gのおかゆを何さじくらいで完食できるでしょうか?赤ちゃんの集中力は15分程度です。少しづつ食べさせていたのでは、嫌にもなるし、まずカミカミの練習にはなりません。たくさん入ることで歯ぐきで噛んでから、舌と上あごですりつぶします。喉に詰まらせるからと言って、柔らかくしたり、飲み物を途中であげたりしないでください。よくカミカミして、自分の唾液で飲み込めるようにしていきます。そうすることで「咀嚼力(噛む筋肉)」「嚥下力(飲み込む筋肉)」をつけていくことができます。

使える野菜

れんこん、コーン、グリンピース、もやし、ひじき、めかぶ

野菜は粗みじんから5mm角へ

歯ぐきでつぶせる固さと大きさにします。まずはじゃがいも、サツマイモを柔らかくし、大きめのものをあげてみてください。片方の歯ぐきでつぶしている素ぶりが見えれば大丈夫です。その後はいつものモグモグのお口になります。カミカミできるようになるためにはある程度の大きさが必要です。

使える調味料

塩、しょうゆ、味噌、トマトケチャップ、マヨネーズ、バター、サラダ油 を少々(耳かき1杯程度)使えます。これだけ?と思うかもしれませんが、赤ちゃんの舌はとても敏感です。少々使うことで、食欲が増すことも多々あります。ただし、砂糖を使ったものはできるだけ、避けてください。甘い味はすぐに覚えてしまい、甘くないものは食べなくなってしまいます。果物の与えすぎも要注意です。

さあ、そろそろ、離乳食も完了です!

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