※通院中、治療中の方は主治医にご相談の上、参考にしてください

離乳食の進め方(簡単な流れ/管理栄養士)

母乳の栄養は何に使われているの?

産まれた時より身長も体重もずいぶん伸びましたよね。母乳、ミルクしか飲んでいないのにこんなに成長するなんてビックリです。母乳はカウントできませんが、ミルクだと1回200mlくらいは飲めるようになってきたのではないでしょうか?1日に約1000mlの乳量が必要ですので、授乳回数は1日5回になるように生活リズムを整えていきましょう。

乳量1000mlは何に使われていると思いますか?カロリーは乳量1000mlで650kcalになります。このエネルギーは3つに分けて使われます。

1、細胞を増やしたり、細胞を大きくして成長のために使われる(250kcal)

2、細胞が生き続けるために使われる(250kcal)

3、泣いたり、動いたりすることに使われる(150kcal)

よく泣く子、たくさん動く子は3に使われてしまうので、1の成長に使われるエネルギーまで使ってしまうかもしれません。体重の伸びが成長曲線に比べて悪い場合は乳量を増やしていきましょう。1度にたくさん飲むことが出来ない赤ちゃんは回数を増やしてみましょう。ただ、回数ばかり増やしてしまうといつまでも胃袋が大きくなりません。泣いたらすぐにあげるのではなく、あやしたり、散歩に出たりと授乳時間を少し伸ばしていき、胃袋を大きくして、1度にたくさん飲めるようにしていきましょう

1回200ml×5回の乳量を昼間に確保することで、夜中にお腹がすいて授乳する必要が無くなってきます。夜中に赤ちゃんがぐっすり眠ることで成長ホルモンがたくさん出てきます。ママもゆっくり眠りたいですよね。赤ちゃんのためにもママのためにも昼間の授乳リズムをしっかりつけて、離乳食に備えましょう。

脳を育んでいく大切な離乳食

離乳食は母乳、ミルクから固形食へと移行するために、「食べる」を習得していく大切な期間です。生後間もない赤ちゃんの脳は大人の20%程度しかありませんが、離乳食が終わる1歳半ごろまでには80%まで成長します。1日3回の離乳食で学ぶことは脳を育むためにもとても良い機会です。さらにこの時期は思考や記憶力も格段に成長します。そして、2~3年後には大人とほぼ同じ大きさまでに成長してしまうなんて、ちょっと驚きです。

脳は水分、脂質、たんぱく質で構成されていますが、脳の栄養源は糖質であるブドウ糖です。この糖質、脂質、たんぱく質の3大栄養素を効率よく代謝するためにはビタミン・ミネラルが不可欠です。もちろん、栄養のために食事は必要ですが、食の楽しみを学ぶ離乳食のスタートでもあります。まずは大人が食べることを赤ちゃんと共有して離乳食を楽しんでください。

脳についてもっと知りたい方は次の記事もご覧ください☟

離乳食 モグモグ期 食べさせ方(8か月/あおいママさん):与え方が赤ちゃんの脳の発達に影響する

生活のリズムは整いましたか?

5.6か月になって授乳時間が決まって、授乳間隔が3~4時間空いてきたら、そろそろ離乳食の準備を始めましょう。これから、どのように進んでいくのかを簡単動画にまとめました。

前期 ゴックン期(生後5~6か月)

ポタージュのようなどろどろ状のものを「ゴックン」と飲み込めるように練習していきます。最初は1日1回午前中におかゆ、パンがゆを1さじから始めます。慣れてきたら、毎日少しづつ増やしていきましょう。

〇 ご飯は10倍がゆ

〇 野菜は柔らかくゆでて、すりつぶした後、お湯やだし汁でのばす

〇 豆腐はゆでて、すりつぶした後、お湯やだし汁などでのばす

豆腐の簡単な作り方はこちらをご覧ください

離乳食 はじめての豆腐(ゴックン期/管理栄養士)

固ゆでの卵黄の作り方はこちらをご覧ください

離乳食 はじめての卵(ゴックン期/管理栄養士):卵黄と卵白の進め方

中期 モグモグ期(7~8か月頃)

形態を舌でつぶせる固さにしていきます。1日1回食でしたが中期になったら午前1回、午後1回の2回食に進みます。たんぱく質はお豆腐だけでなく、魚(白身)、鶏肉(ささみ)なども食材も取り入れていきましょう。できるだけ、いろんな食材の味をおぼえさせましょう。

〇 ご飯は7倍がゆ

〇 野菜は柔らかくゆでた後、粗めにつぶしたり、みじん切りする

〇 豆腐はゆでた後、5mm角にする

後期 カミカミ期(9~11か月頃)

1日3回の食事にしていきます。最初は14時頃と18時頃ですが、1歳近くになったら、家族で一緒に食卓を囲む時間を作って頂きたいので12時から13時の間に昼食、18時から19時の間に夕食と大人の時間にシフトしていきます。食材の固さは歯ぐきでつぶせる程度にしていきましょう。モグモグよりもお口の動きを活発にするためには柔らかく大きめの食材を用意します。お口に入れる一口も多めに入れてあげてください。噛むことを身につける大切な時期ですので、スプーンの運びはゆっくりと進めてください。

〇 ご飯は5倍がゆ

〇 野菜は柔らかくゆでた後、小さな角切りにし、慣れてきたら徐々に大きくしていく

〇 豆腐は7~8mm角にしてからゆでる

完了期 パクパク期(12~18か月頃)

1日3回の食事プラス1~2回の補食を用意します。補食ですのでお菓子を与える事ではありません。食事3回で食べられる量は決まってしまいますが、成長期では栄養が足りなくなってしまうため、補食が必要になります。お菓子ではなく、おにぎり、サンドイッチ、ヨーグルト、フルーツなど食事だけでは足りないと思われる栄養素を含んだ食品を用意します。母乳やミルクを飲ませている方もみえますが栄養の大部分は離乳食からとることになります。成長曲線で標準値を確認しながら離乳食と補食を進めていきます。

〇 ご飯は軟飯(大人より少し柔らかめ)

〇 野菜は柔らかくゆでた後、一口大の大きさにする

〇 豆腐は一口大に切ってから、ゆでる

(管理栄養士 こざわさなえ)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です