オートミールいつから?
オートミールはオーツ麦を食べやすく加工したものです。脱穀した麦を蒸してローラーで伸ばし、乾燥させたロールドオーツをさらに細かくしたクイックオーツが料理に使いやすいように思います。
ゴックン期ではまず10倍おかゆから始めますが、オートミールをおかゆの代用として使用するのであれば、ブレンダーなどで粒をなくし、ポタージュ状にします。ただし、食物繊維が多く、赤ちゃんに適している食材ではありません。モグモグ期になると母乳やミルクの量が減ることもあり、便秘になる赤ちゃんが増えます。その時に少量からおかゆに混ぜて使ってみましょう。
オートミールを食べてみました
オートミールが人気と聞いて、離乳食として使えるか?離乳食教室終了後に管理栄養士仲間で試食をしてみました。購入したのはフランス製オートミール。お湯で柔らかくすることも出来ますが、今回はだしを使って柔らかくしてみました。だしは急須でも簡単に取ることが出来ます。かつおパックを茶葉のように熱湯をかけておいておくと、だしが取れます。その時に蓋はしないでください。かつおの臭みがだしに残ってしまうからです。鰹節や昆布でだしをたくさん作って、製氷皿で固めて、冷凍庫で保管して、1個づつ使う方法もあります。
7倍がゆとオートミールの栄養素比較
オートミールはすりおろしても、粒が残ってしまうので1回食のゴックン期での使用は難しいように思います。中期モグモグ期になったら、主食として使っていける食材です。
中期になったら、1食につき、7倍がゆ50g~食べられるようになるといいですね。今回は、お米10gに7倍のお水70mlで炊いた、7倍がゆ70gとオートミール10gの栄養価の比較をしてみました。
7倍がゆの栄養成分(1食70g、お米10g)
熱量35.8kcal、たんぱく質0.6g,脂質0.09g、糖質8.3g、食物繊維0.05g、ナトリウム0.1㎎
~参考資料:日本食品標準成分表7訂~
オートミールの栄養成分(1食10g 約大さじ2当たり)
熱量38kcal、たんぱく質1.4g、脂質0.6g、糖質6g、食物繊維0.9g、ナトリウム0.1㎎
脂質と食物繊維の含有量が大きく違っています。脂質は10倍、食物繊維は20倍です。7か月で10gのオートミールをおかゆとして使ってしまうのには適切ではないと思います。便秘気味な赤ちゃんにオートミールを使うのであれば、まずは1gくらいをおかゆに混ぜて使うことから始めてみてください。
離乳食が進んでくると、母乳やミルクの水分が減り、便秘気味になる赤ちゃんんがいます。離乳食後に母乳やミルク、またはお茶や白湯で水分補給をしていただきたいのですが、それでも便秘が解消できない場合はオートミールを活用してもいいかもしれません。下痢にならないように赤ちゃんの体調に合わせて、上手に使ってください。
食パンの栄養成分(1食15g当たり)
熱量40kcal、たんぱく質1.4g、脂質0.66g、糖質6.66g、食物繊維0.35g、ナトリウム75㎎
うどんの栄養成分(1食30g当たり)
熱量32cal、たんぱく質0.78g、脂質0.12g、糖質6.24g、食物繊維0.24g、ナトリウム36㎎
それぞれの主食食材で栄養素に特徴がありますね。2回食になったら、主食を変えてみることで離乳食の幅も広がりそうです。味覚の形成にとっても大切です。オートミールにも是非、チャレンジしてみてください。
オートミールの栄養素
≪食物繊維≫
0歳児の食物繊維に関する摂取基準はありませんが、離乳食が進んで中期になると母乳やミルクの量が減るため便秘気味になる赤ちゃんが多くみられます。オートミールには食物繊維が多く含まれるため、便秘に有効かもしれません。ただし、噛まずに飲み込めてしまうので、お口の筋肉を鍛えることは出来ません。7倍がゆに少し混ぜることから始めてお腹の調子を確認して、徐々に量を増やしていくことをお勧めします。
≪たんぱく質≫
オートミールのたんぱく質量はお米の2倍近くあります。肉や魚、豆類がちょっと足りないかな?と思ったときに使用するのも有効です。ベビーフードのあんかけ野菜などに少し足してみるとバランスが整ってきます。
≪鉄分≫
産まれてから6か月頃まではお母さんから十分な鉄分をもらっているので足りていますが、7か月頃からは徐々に減ってきてしまいます。鉄は酸素をからだの隅々にまで届けてくれる成長期には欠かせない大切な栄養素です。母乳に含まれている量は少ないので、1歳を過ぎたら、食事からしっかり鉄分を摂っていきましょう。フォローアップミルクを適度に活用してもいいと思います。赤身のお肉、お魚やほうれん草などの葉物野菜を毎日摂るようにします。オートミールには白米よりも多く鉄分が含まれますので、上手に活用していきましょう。
≪カルシウム≫
カルシウムが骨の成長に必要なことはご存じだと思いますが、そのほかにも神経伝達、筋肉の刺激、ホルモン調整などに必要不可欠な栄養素でもあります。不足しないように摂りましょう。牛乳アレルギーがないようであれば、ミルクがゆなど料理に使うことは中期以降可能です。牛乳として飲むことが出来るのは1歳を過ぎてからになります。
栄養成分比較
お米10g、ご飯1食分、オートミール10g、オートミール1食分の栄養成分比較をしてみました。☟
お米(10g) | ご飯(100g) | オートミール(10g) | オートミール(45g) | |
熱量 | 35.8kcal | 168kcal | 38kcal | 171kcal |
たんぱく質 | 0.6g | 2.5g | 1.4g | 6.2g |
脂質 | 0.09g | 0.3g | 0.6g | 2.6g |
炭水化物 | 7.7g | 37.1g | 7g | 31.1g |
食物繊維 | 0.5g | 1.5g | 0.9g | 4.2g |
鉄 | 0.08㎎ | 0.1㎎ | 0.4㎎ | 1.8 ㎎ |
カルシウム | 0.5g㎎ | 3㎎ | 5㎎ | 21㎎ |
食塩相当量 | 0g | 0g | 0g | 0g |
【出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)】
オートミールにはたんぱく質・食物繊維・鉄・カルシウムが豊富に含まれています。上手に活用すると効率的に栄養補給が出来そうです。
(管理栄養士 こざわさなえ)