つわりの症状
妊娠してるかな?と思ったときにはすでにつわりの症状がみられる方もいらっしゃいますし、軽く済みましたという方もいて、つわりの症状は千差万別です。こればかりは自分で決めることが出来ないので、つわりライフを乗り切るために、栄養士の立場から、情報をお伝えしようと思います。
★ においも気になって、ほとんど食べられない。
★ 1日に何回も吐いてしまう
★ 水分をとっただけでも、吐いてしまう
★ 1日中、胸がムカムカしている
★ 体重が減ってしまう
★ おしっこの回数や量が減る
★ 起き上がるときにフラフラする
★ 口が渇く
つわりを乗り切るためのポイント
自分の食べたいものを食べる
つわりも段階があると思いますが、妊娠以前のように3食同じ時間に食べなければならないとか、バランスよく食べなければならないとか、つわりがある時にそんなことを考える必要はありません。自分が今、食べたいと思ったもの、食べてもムカムカしないもの、消化に良いもの、吐かないものなど少量を時間に関係なく、とっても構いません。1日に5~6日に分けて食べられるといいですね。妊娠初期の胎児の栄養必要量はわずかなので栄養は気にしないでください。安定期になって、つわりが治まってきたら、その時にバランスや栄養を考えます。
匂わないように冷たくして食べる
つわりの症状では温かい料理の湯気や匂いに敏感になることが多いので、温めて食べることで匂いがして、口に入れる前に吐き気を催すことが多々あります。常温または冷やして摂ることで食べることが出来る場合があります。調理やお買い物は家族の方に任せたり、ネット注文などで乗り切りましょう。
空腹、満腹にしない
空腹、満腹時に気分が悪くなることが多くあるようです。寝る1時間前に消化の良いものを軽く、口に入れておきます。満腹感は妊娠前とは違うかもしれません。いつも食べていた量ではなく、加減しながら、分割して、時間をおいて食べていきましょう。つわりの時期は家族の食事時間に合わせると辛くなるかもしれません。
水分はこまめに摂る
食事が全く無理な場合は、水分だけでも摂るようにしましょう。脱水になってはいけません。ミネラル水やルイボスティーのようなお茶、スポーツドリンク、os-1等でも構いませんが、出来れば、ジュースやスープなど少しでもカロリー、ビタミン、ミネラルの入ったものが摂れるといいですね。まずは、飲みたい、飲めそうと思った種類のジュース、スープを少量から始めて様子を見てください。
オレンジジュースなどの柑橘系果物は、食べやすいようですが、後から嘔気に襲われることが多いようです。量などを工夫して、上手に飲んでください。
氷をなめることも水分補給になります。吐き気も結構治まります。氷を噛んでしまうのではなく、徐々に解けるように、お口の中で溶かしていきます。
気分を変えてみる
少し気分の良いときは、気分転換に食べ物、飲み物を持って、公園に出かけてみてはいかがでしょうか? 日光や風に当たることで、ちょっと口に入れてみようかしら?という気分になるかもしれません。人がいると、気を使ってしまうこともありますので、天気の良い日は一人で軽食を持って出かけてみましょう。
全く、食べ物、飲み物を受け付けない時は
食事だけでなく、水分も取れない場合は、早めに専門医を受診しましょう。入院が必要になる場合もあります。妊娠前と比べて、5%以上の体重減少がある場合は、子宮内発育不全が増加するとも報告もあるようです。専門医が治療を行い、軽快するものであれば、胎児に影響はないようです。自分だけの体ではないので、早めの受診をお勧めします。
つわりがあるときの食事の工夫
食べやすい/飲みやすい食品を摂る
1、水分が多いもの:果物(オレンジやグレープフルーツなど柑橘系、バナナ、桃、スイカ、りんご、梨、イチゴ)、野菜(トマト)、お粥、お茶漬け、スープ
2、腹もちがいいもの:小麦や米(クッキー、クラッカー、おにぎり、パン、麺)、食物繊維(リンゴ、キャベツ)
3、口をすっきりさせるもの:飴、グミ、ガム、氷、炭酸飲料(ジンジャーエール、炭酸水)
4、冷たいもの:プリン、ゼリー、アイスクリーム、ヨーグルト
5、味の濃いもの(唾液による不快感を和らげる):ソース味(お好み焼き、たこ焼き、ハンバーグ)、ケチャップ味、果汁ジュース、いちごミルク、コーヒー牛乳、ヤクルト、カルピス
6、味のないもの
食べにくい/飲みにくい食品を避ける
1、臭いが強いもの:魚
2、脂っこいもの:肉、揚げ物
食べたい/飲みたいと感じる時
食べたい/飲みたいと思ったものを少量摂る
食べやすい/飲みやすい量を摂る
少量ずつ(腹 7、8 分目)食べる、ストローを使って少しずつ飲む
匂いを避ける
湯気が立たないよう冷ます、臭いが気になる場所で食事しない
他の人が作ったものを食べる
家族など誰かに作ってもらう、調理されたものを買う、外食する、実家で食べる
楽しい環境で食べる
人と話しながら食べる、外食する
食べられる/飲めるものを準備する
すぐ食べられるもの(おにぎり、クッキー、飴、ゼリー、バナナ)を持ち歩く、夜中や起きた時に食べられるよう枕元に置いておく
食後は消化しやすい姿勢で過ごす
横にならず、体を起こしておく
食事で気を付けたいこと
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- 真水の飲水を避ける
- 塩分を制限し過ぎない
- でんぷんのみを摂取しない
- 塩飴をなめる(舐めづらいときには少し小さめの塩飴を試してみるとよいでしょう)
- カリウムの多い食材を食べる
- マグネシウムを多く含む食品を摂取する
- レモンや酢などクエン酸を含むものを食品に混ぜる
- ビタミンB1が多く含まれる食物を摂る(強化米、小麦胚芽、豚肉など)
- 牛乳を飲んで悪心が現れるようなら避ける ※妊娠中は赤ちゃんにカルシウムが必要だと思い、大量に牛乳を飲む妊婦さんがいますが無理は禁物です。無理をすると大切な栄養素、電解質が摂取できなくなります。胎児のカルシウムの80%は妊娠末期に母体から供給されます
- お腹を腹帯などで温める。少量の冷えた炭酸水の飲水を試みる