※通院中、治療中の方は主治医にご相談の上、参考にしてください

幼児食 手づかみ(1歳半/あおいママさん):子供のわがままに振り回されてしまう

 

管理栄養士のコメント

何の歌を歌っているのでしょうか?とてもかわいいですね。「遊んでないで、食べなさい」なんて叱らないでくださいね。両手で上手に持って、さらに持ち替えています。そして、最後に「ごちそうさま?」していますね。手づかみ食べをたくさんしてきたのでしょうね。使わなくてもいいので、スプーン、フォークもそばに用意しておきましょう。そして、「フォークを使ってイチゴを食べてみようか?」「スプーンでスープを飲んでみてね」と声掛けもして道具も使いこなしていけるといいですね。

フォークやスプーンはどのように持っていますか?最初は上から持つのではないでしょうか?まだ、下から支える力がないので直してもすぐに上から持ってしまいます。お絵かきするときのクレヨンや色鉛筆などを使うときもぐっと握って描いているのではないでしょうか? 遊びの中からも修正していきましょう。筋肉をつけていくことでスプーンやフォークも上手に持つことができるようになります。

脳育につながる摂食行動

〇 手づかみ食べからスプーンやフォークの使い方を覚える

〇 自分の口に合った一口量を学習し、咀嚼への動きにつなげていく

〇 指、手首、腕の機能の発達により、指握り、鉛筆持ちへと変化していく

〇 自分で食べたがる

ご自分のお子さんはいかがでしょうか?ママが与えてばかりでは自分で食べる事を嫌がるかもしれません。自分で食べなければ一口量も学習していけません。手づかみが出来ていなければ食具(スプーン、フォーク、箸)も使いこなしていけません。使いこなしていけるということは脳が発達している証拠になります。自分の思い通りに手先が動くということは脳が育っている証拠です。また、自分で食べたがるという行為は意欲にもつながります。1日3回の食事で脳育、脳のトレーニングが出来ます。

この頃の食行動の発達

〇 「おいしいね」と自分から言ってくる

言わない場合はママのほうから「おいしいね」と声をかけてあげましょう

〇 食べ物を味わうようになる

よく噛んで食べているか確かめましょう

〇 所有力が強くなる

お子さんの食事を分けて用意しておきましょう

〇 友達と同じものを食べたがる

同じものを用意しておくのもいいですね

〇 食事を友達と楽しめるようになる

「みんなで食べるとおいしいね」と言って大勢の食事を楽しみましょう

精神も発達していきます。ママにとっては少し育てづらい時期になっていくかもしれません。1,2歳の感情である怒り・甘え・不安・不満などを態度に表すかどうかは個人差によります。持って生まれた性格もありますよね。食事場面においても好き嫌いが出てきたり、座って食べる事を嫌がったり、食べる事に興味がない子も出てきます。3歳になると社会性が育ち、言葉が理解でき、我慢することもできるようになるので精神も落ち着いていきます。

子どものわがままに振り回されてしまう

乳幼児の食事相談の際によく聞かれる言葉が「バナナだと食べるので、昼食はバナナ2本だけでした」「野菜は嫌いで食べないので、野菜ジュースを毎日飲ませています」「白ご飯は食べないので、すべて混ぜご飯にして、ワンプレート1品です」など小さいお子さんの意思を尊重しているのか? お子さんのわがままに無理回されていて、親がどう育てたいのか?どういう子になってほしいのか? 子育てのビジョンが全く見えないことが多くあります。

バナナだけで、栄養は足りていくと思いますか? バナナの味しか美味しいと感じられないのは悲しいことです。また、野菜は体を菌から守ってくれたり、いい便を作るのに必要な成分も含んでいます。一つ一つの野菜の味を確認することで、脳が一つ一つの野菜の味を覚えていきます。ご飯は噛めば噛むほど麦芽糖の甘さを感じることが出来ます。

子供の意見を尊重して与えていない、与えていると言われてしまうかもしれませんが、幼児にはそれを判断する基準が備わっていません。食べる量、頻度、食事のマナーなどまだまだ本能に翻弄される時期です。

「子どもの要求をすべて叶えることが愛情表現」と考える親もいるかもしれませんが、世の中を生きていく上で、すべて自分の思い通りになるわけではないので、要求すべてを叶えることは子供にとって弊害になることもあります。新しいことやちょっと嫌なことに挑戦し、認めてあげることで自信をつけていくこともできます。食を通して、自分に自信が持てるお子さんを育ててください。(管理栄養士 こざわさなえ)

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